22年28号栽培マニュアル(秋冬野菜)

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有機野菜の力で、腸内細菌を元気に!

●プランター栽培の基本
・プランターは、日当たりや風通しのよい場所に置く。ベランダでは、すのこや台の上に置く。
・今回は菜っ葉類の栽培ですので、標準プランター(約65×22×18.5、15ℓ程度)で可能です。
 土が底からこぼれ落ちないように(底網などを敷き)、底が隠れる程度の鉢底石を敷き、その上に培養土を入れる。
・植え穴をあけ、水を注ぎ浸透したら、植え穴に苗を入れ、土をかぶせて根元を軽く押さえる。
・菜っ葉類の植え付けは5~6cm間隔の株間、条間(筋の間隔)10~15㎝ほどで植える。
・よく観察して害虫を見つけたら、早めに対処。黄色くなった下葉は取り除き病気の予防を。
・寒さに比較的弱いものは、寒冷紗などで覆うとよい。

注意点は、①水やりと ②追肥です。
 ① 水やり・・表面が乾いていたら冬季でも水やりが必要です。乾燥に気を付けて下さい。
  水の通りや土の通気性が悪くなると、根に酸素が届かず生育が悪くなります。その場合は穴あけする。
  直径約 2cm の棒の先を削って尖らせ、10cm 間隔で容器の縁にそって差し、穴をあけ通気をよくする。
  20 日間隔で数回穴あけをし、穴に追肥すると肥効もよくなる。
 ② 追肥・・・プランター栽培では日々の水やりで肥料が流れ出しやすいので、追肥が必要。

■小松菜
・株間 5~6cm。1 ヶ月ほどで栽培でき、基本的に年中栽培可能。カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミン C が豊富。

春から秋にかけては短期間で収穫できるので、元肥のみで大丈夫。

寒くなって成長が遅くなり収穫まで 30 日以上かかる場合は、20 日に 1 回程度の追肥が必要。

■ほうれん草
・株間 5~6cm。カロチン、鉄分の多い高栄養野菜。

古土を使う場合は、酸性を嫌うので苦土石灰を標準プランターあたり 50g ほど混ぜる。

基本は元肥 1 回ですが、生育を早めるためには液肥を 4~5 日に 1 回、2~3 回施肥してもいい。

表面を乾かさないよう、水やりを。

収穫は間引きのように抜くと、隣株の生育が悪くなるので、端から順にハサミで根本から切って収穫します。

■ミズナ
・株間 5~6cm。株間を広げて長く育てると葉が増え大きくなります。

ミズナは、その名の通り水をたくさん吸収するため、湿り気のある排水良好な土が好きです。

表面を乾かさないよう、水やりを。

追肥は 20 日ごとに 2 回ほど。背丈が 25~30cm になったら、一株ずつ間引き収穫。

アブラナ科でコナガなど害虫が付きやすいので注意。

寒さに強く、霜にあたると甘さが増しおいしくなる。

■サラダ菜
・株間 10~15cm。

土は標準のものでよいですが、酸性を嫌うので古土を使うときは、苦土石灰を標準プランターあたり 20g 全土にまんべんなく混ぜて調整。

長期間の栽培になるのでスタミナ切れにならないよう、春菊と同様に追肥を定期的に(20 日ごとに)。また、乾燥も品質低下を招くのでいつも適度に湿っているように。

本葉 10 枚ほどに成長した時から収穫。外葉を茎の付け根からかきとって食べる。
中心から数枚の葉は、再生力維持のために残し、外葉からかきとって収穫、長期栽培が可能に。

寒さには比較的弱いので、寒冷紗で覆うと良い。

■春菊
・株間 10cm。株を大きく育て、秋から春まで収穫を楽しみましょう。

そのためには肥料切れしないよう充分な水と肥料を。

定植後 20 日おきに4回追肥。春からの旺盛な生育に向けて、年明け 2 月から3 回追肥。

成長が鈍ってきたときには、液肥を5日に1回やるといい。

株元に葉を 7~8 枚(茎長 7~8cm)残して葉を摘むと、すぐに脇芽が伸び、再び収穫できる。

株元の枯草は早く取り除き、株を清潔に保つ。

◆ハーブ ■タイム
・丈夫で育てやすい。

ハーブの中でも、殺菌作用と抗ウィルス作用に優れているので、ハーブティとしてうがい薬に使用するのも、with コロナの今に効果的ですね。

料理はもちろん、お風呂やアロマオイルなどに使用するのもいい。

乾燥に強く、酸性土を嫌い多湿に弱いので、枝が蜜に茂って風通しが悪くならないように、株元の風通しよくする。

乾燥を好むので、表面が乾いたら水やりをする程度。

(ただし、植え付け直後は根付くまでの水やりが大切。)

追肥は控えめに。

真夏をのぞいて 3~11 月の間に数回。

多湿や蒸れに注意すれば害虫もほぼ寄り付かない。

根の成長が早いので、鉢の底から根が伸びてきたら、一回り大きい鉢に植え替えるか、株分けをする。

■セージ
・丈夫で栽培しやすい。昔から不老長寿の薬効があると言われている。

多湿に弱いので蒸れに気をつけて、株元の込み合った枝を切り落とし、日当りや風通しをよくする。シソ科で害虫(アブラムシやハダニなど)が付きやすいので、葉の裏側を注意深く観察し駆除する。

冬場は、寒風や霜防止のため、ベランダの屋根のある場所に置く。

畑では、腐葉土などを敷いてカバーする。

乾燥を好むので水は乾いたらやる程度で、特に冬は控えめに。

肥料は、4~6 月ころ月 1 回程度。夏場は施肥を避け、様子を
見ながら秋にも 1 回。

セージは生育旺盛なので、挿し木で増やせます。(春か秋ころ)


●土について
・何度か(年 2 作程度)栽培した土は、酸性に傾いています。

再利用する場合は、苦土石灰で中和し、土壌改良剤を混ぜ、新しい土を 3 分の1ほど混ぜて使用下さい。
・有機培土はできるだけ早めに使い切って下さい。

コープ自然派の有機培土は有機質肥料使用のため、密封状態で長く置くと異臭がすることがあります。その場合、5 日間ほど土全体を空気にさらしてからご利用ください。

また、コープ自然派の有機培土は元肥入りです。最初の肥料は不要です。

(市販の用土も、表示を確認して下さい。)

古土は再生利用しましょう! ~作物だけでなく、土も育てましょう~
何度か栽培した土は、酸性に傾いています。苦土石灰で中和し、ミネラルを補給し土を再生するこ とで連作障害を防止できます。土も野菜と同様、じっくり育ててあげましょう。
① プランターの古い土を出し、乾燥させてふるいにかけ、ゴミを取り除く。
② 細かいふるいにもう一度かけ、粉状の細かすぎる土は取り除く。
(細かすぎる粉状の土は、野菜づくりには適さない。庭土などの別の用途に使用。)
③ 苦土石灰を一握り入れ(ケルプベレットを少し加えるとさらにいい)、10 日間ほど寝かします。
④ バーク堆肥、腐葉土など 10~20%混ぜ込む。今回、バーク堆肥企画あり。
⑤ 握ると固まる程度に水を加え、ゴミ袋(透明)などに入れ、日なたに 1~2 か月ほど置き、 太陽熱で殺菌する。(真夏は一週間で充分)
⑥ 新しい土を3分の1ほど混ぜて使用ください。

\野菜は土が育ててくれるもの。工夫して、ふかふかの土を作りましょう/
土は捨てないで!

※土は同じプランターで1年に2作するとして、年に一度は土壌改良を。
※作物の残渣(ヒゲ根や葉など)は細かく刻み、乾燥させてプランターの鉢底石の上に入れ(1~2cm 厚さ)、使っているうち に次作の堆肥となる。

●病害虫対策
病害虫は、日当たりや水はけの悪いところや、土の栄養が悪いところに発生しやすい。

注意深く観察して早目に対処しましましょう。

青虫などの害虫を発見したら、手で取り除きましょう。

または、ピンセットで摘む、ハケで落とす、粘着テープにつけて取る、などよく観察して下さい。

また、寒冷紗や防虫ネットで寒さや害虫対策をするのも効果があります。


○病気予防・・・酢は野菜を丈夫にし、うどんこ病(きゅうりやカボチャなど)の予防にもなります。
 木酢(竹酢液)を1000倍に希釈し、3日に1度ほど散布。
 食酢を20~50倍に希釈し2週に1回ほど吹きかける。
 コーヒー(濃度はそのまま)を散布―うどんこ病やハダニの防除
 ベト病対策には、ニンニク1ヶをすりおろし、水1ℓを加え布でこす。5倍希釈使用。


○害虫対策・・・木酢(竹酢液)を300倍に希釈し散布。
アブラムシ防除には、晴天の午前中に牛乳を薄めず霧吹きで、葉の裏に吹きかけ、膜がのこらないように使用後(夕方には)よく洗い流す。ナメクジ退治には、小皿にビールを入れて、出そうなところに置く。

NPO法人自然派食育・きちんときほん

0120-236-003(土日祝除くAM9:00~PM5:00)

e-mail :  npokichintokihon@leto.eonet.ne.jp