23年47号栽培マニュアル(菜っ葉と豆)

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有機野菜の力で、腸内細菌を元気に!

●プランター栽培の基本
・プランターは、日当たりや風通しのよい場所に置く。ベランダでは、すのこや台の上に置く。
・今回は菜っ葉類の栽培ですので、標準プランター(12リットル程度)で可能です。
 土が底からこぼれ落ちないように(底網などを敷き)、底が隠れる程度の鉢底石を敷き、その上に培養土を入れる。
・植え穴をあけ、水を注ぎ浸透したら、植え穴に苗を入れ、土をかぶせて根元を軽く押さえる。
・菜っ葉類の植え付けは5~6cm間隔の株間、条間(筋の間隔)10~15㎝ほどで植える。
・よく観察して害虫を見つけたら、早めに対処。黄色くなった下葉は取り除き病気の予防を。
・寒さに比較的弱いものは、寒冷紗などで覆うとよい。

注意点は、①水やりと ②追肥です。
 ① 水やり・・表面が乾いていたら冬季でも水やりが必要です。乾燥に気を付けて下さい。
  水の通りや土の通気性が悪くなると、根に酸素が届かず生育が悪くなります。その場合は穴あけする。
  直径約 2cm の棒の先を削って尖らせ、10cm 間隔で容器の縁にそって差し、穴をあけ通気をよくする。
  20 日間隔で数回穴あけをし、穴に追肥すると肥効もよくなる。
 ② 追肥・・・プランター栽培では日々の水やりで肥料が流れ出しやすいので、追肥が必要。

今回は、セルトレイ(12穴)で育てた、菜っ葉の苗&豆類(ポット苗)です。

サラダ菜は長期間、摘み取り収穫ができます。

■小松菜
・株間 5~6cm。1 ヶ月ほどで栽培でき、基本的に年中栽培可能。カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミン C が豊富。
春から秋にかけては短期間で収穫できるので、元肥のみで大丈夫。
寒くなって成長が遅くなり収穫まで 30 日以上かかる場合は、20 日に 1 回程度の追肥が必要。

■ほうれん草
・株間 5~6cm。カロチン、鉄分の多い高栄養野菜。
古土を使う場合は、酸性を嫌うので苦土石灰を標準プランターあたり 50g ほど混ぜる。
基本は元肥 1 回ですが、生育を早めるためには液肥を 4~5 日に 1 回、2~3 回施肥してもいい。
表面を乾かさないよう、水やりを。1か月ほどで収穫。
収穫は間引きのように抜くと、隣株の生育が悪くなるので、端から順にハサミで根本から切って収穫します。

■ミズナ
・株間 5~6cm。株間を広げて長く育てると葉が増え大きくなります。
ミズナは、その名の通り水をたくさん吸収するため、湿り気のある排水良好な土が好きです。
表面を乾かさないよう、水やりを。
追肥は 20 日ごとに 2 回ほど。背丈が 25~30cm になったら、一株ずつ間引き収穫。
アブラナ科でコナガなど害虫が付きやすいので注意。

■サラダ菜
・株間10~15cm。
土は標準のものでよいですが、酸性を嫌うので古土を使うときは、苦土石灰を標準プランターあたり20g全土にまんべんなく混ぜて調整。
長期間の栽培になるのでスタミナ切れにならないよう、追肥を定期的に(20日ごとに)。
また、乾燥も品質低下を招くのでいつも適度に湿っているように。
本葉10枚に成長したら外葉から1枚ずつかき取って収穫。中心から数枚の葉は、再生力維持のために残します。そうすれば、長期間摘み取り収穫ができます。

■インゲン豆(つるなし)
・豆の栽培方法は、実エンドウやスナップエンドウなどほとんど同じです。豆は比較的病害虫にも強く、作りやすい野菜です。が、連作をきらいます。2~3年は豆を植えてない土を使って下さい。古い土を使う場合は、苦土石灰を標準プランターあたり全体に20g混ぜ、さらに新しい培養土を30%加えます。インゲン豆は時期をずらしながら栽培し、三度取れることから関西では三度豆とも言われています。(ただし、時期をずらして種まきした場合のことです)。
開花から10日~15日で収穫。あまり豆がふくらまないうちに若取りしたほうが、やわらかくておいしい。苗はプランターの場合は株間約20cmで、ある程度密植にしたほうが多収になります。収穫期間は短く2週間ほどです。追肥の回数は少なめで、開花後実がつき始めたら(本葉が2枚出てから20日ほど)1回程度。つるなし豆は、背丈が低いので30~40cmの短い支柱を立て、安定するよう斜めにも支えを入れる。高さが20cmほどになったら、麻ひもなどで、支柱に誘引する。

■スナップエンドウ(つるなし)
・栽培方法は、上記のインゲン豆を参照下さい。支柱は50~60cm。開花後20~25日をめやすに、豆が大きく膨らんできたら収穫。インゲン豆と同様、若取りしたほうが木を疲れさせません。
病害虫(うどん粉病やアブラムシ)に気をつけて、よく観察しながら対処して下さい。


●土について
・何度か(年2作程度)栽培した土は、酸性に傾いています。再利用する場合は、苦土石灰で中和し、土壌改良剤を混ぜ、新しい土を3分の1ほど混ぜて使用下さい。
・有機培土はできるだけ早めに使い切って下さい。コープ自然派の有機培土は有機質肥料使用のため、密封状態で長く置くと異臭がすることがあります。その場合、5日間ほど土全体を空気にさらしてからご利用ください。
また、コープ自然派の有機培土は元肥入りです。最初の肥料は不要です。(市販の用土も、表示を確認して下さい。)

古土は再生利用しましょう! ~作物だけでなく、土も育てる~
何度か栽培した土は、酸性に傾いています。苦土石灰で中和し、ミネラルを補給し土を再生するこ とで連作障害を防止できます。土も野菜と同様、じっくり育ててあげましょう。
① プランターの古い土を出し、乾燥させてふるいにかけ、ゴミを取り除く。
② 細かいふるいにもう一度かけ、粉状の細かすぎる土は取り除く。
(細かすぎる粉状の土は、野菜づくりには適さない。庭土などの別の用途に使用。)
③ マグキーゼ(苦土)とハーモニーシェル(石灰)を一握り入れ10 日間ほど寝かします。
④ BLOF堆肥23、放線菌堆肥(バーク堆肥や腐葉土など) 10~20%混ぜ込む。
⑤ 握ると固まる程度に水を加え、ゴミ袋(透明)などに入れ、日なたに 1~2 か月ほど置き、 太陽熱で殺菌する。(真夏は一週間で充分)
⑥ 新しい土を3分の1ほど混ぜて使用ください。

\野菜は土が育ててくれるもの。工夫して、ふかふかの土を作りましょう/
土は捨てないで!

※土は同じプランターで1年に2作するとして、年に一度は土壌改良を。
※作物の残渣(ヒゲ根や葉など)は細かく刻み、乾燥させてプランターの鉢底石の上に入れ(1~2cm 厚さ)、使っているうち に次作の堆肥となる。

●病害虫対策
病害虫は、日当たりや水はけの悪いところや、土の栄養が悪いところに発生しやすい。
注意深く観察して早目に対処しましましょう。
青虫などの害虫を発見したら、手で取り除きましょう。
またはピンセットで摘む、ハケで落とす、粘着テープにつけて取る。
防虫ネットなどで害虫対策をする。


病害虫対策に以下の自然農薬などお試し下さい。自然農薬なので、ききめは1~2週間程度、緩やかです。

○病気予防・・・酢は野菜を丈夫にし、うどんこ病の予防にもなります。
 木酢(竹酢液)を1000倍に希釈し、3日に1度ほど散布。
 (濃度は銘柄により違いがあります。ラベル等で確認を。)
 または食酢を300~500倍に希釈し、1~2週間に1度ほど散布。
 コーヒー(濃度はそのまま)を散布―うどんこ病やハダニの防除
 ベト病、サビ病、害虫駆除には、ニンニク1ヶをすりおろし、水1ℓを加え布でこす。5倍希釈で散布。

※うどんこ病には、納豆でバチルス菌液を作って(少し手間ですが)、散布するのが効果的です。
 作り方をご入用の方は下記へ問い合わせ下さい。メールまたはファックスで資料をお送りします。
 納豆のパックについたネバネバを100cc程度の水で溶いて霧吹きで散布するのもいいです。
 (ただし、カラシや醤油が混じっていないもの)

○害虫対策・・・木酢(竹酢液)を300倍に希釈し散布。
 アブラムシ防除には、晴天の午前中に牛乳を薄めず霧吹きで、葉の裏に吹きかけ、
 膜がのこらないように使用後(夕方には)よく洗い流す。
 ナメクジ退治には、小皿にビールを入れて、出そうなところに置く。

NPO法人自然派食育・きちんときほん

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