2024年8号栽培マニュアル(春夏野菜)
有機野菜の力で、腸内細菌を元気に!
●プランター栽培の基本
・プランターは、日当たりや風通しのよい場所に置く。ベランダでは真夏の輻射熱を防ぐ工夫を。
すのこや台の上にプランターを置き、強い直射日光があたる時には、苗を痛めないようにして、すだれを掛けることも。
・果菜類の栽培は根の張りが大切。鉢やプランターは深め(30cm以上)のものを。
土が底からこぼれないように底網などを敷き、底が隠れる程度の鉢底石を敷き、その上に培養土を入れる。
・植えつけはプランターに穴を掘り、水を注ぎ入れ浸透したら穴に苗を入れ、土をかぶせて根元を軽く押さえる。
・苗を2ケ以上植える場合は、30㎝ほど、離して植える。
・果菜類は、植えたあと苗から離して割り箸などで仮支柱を立て、株元から10cmの高さで支柱に結ぶ。
麻ひもなどで紐を数回ねじり、苗を傷つけないよう「遊び」をもうけ、支柱に誘引する。
・苗が定着してきたら本支柱(1.5m~2m)を立てる。さらに高くするにはネットやヒモを使用する。
・トマト・ナス・きゅうりなどの果菜類を収穫するのは、早朝が一番。栄養が充実しています。
注意点は、①水やりと ②追肥です
① 水やり・・・・植えた直後は葉も少なく気温も低いので、水をやり過ぎないよう。(特に梅雨時には、水のやり過ぎに注意。)
・1回にやる水の量はプランターの下から水が出てくるまで。気温が高くなる時期には、表面が乾いたら毎日でも水やりを。
・真夏は日中を避け朝か夕に。雨が少なく乾燥しすぎる時は、朝夕2回の水やり。真夏で土の表面が乾燥しやすい時は、土の表面に枯葉を敷くなどの工夫を。
・水の通りや土の通気性が悪くなると、根に酸素が届かず生育が悪くなる。その場合は穴あけする。直径2cmの棒の先を削って尖らせ、10cm間隔で容器の縁にそって穴をあけ、通気をよくする。20日間隔で数回穴をあけ、穴に追肥をすると肥効もよくなる。
② 追肥・・・・プランター栽培では日々の水やりで肥料が流れ出しやすく追肥が必要。
・追肥は苗を植え付けた後、3週間目くらい(一番花が咲き、実がふくらむ頃)から2週間〜20日に1回、
・4種の有機追肥をそれぞれ10gずつ施肥する。ただし、クワトロネオだけは2回に1回程度でいい。
(プランター栽培で「オーガニック853」を追肥する場合、ナス・きゅうり・ピーマンは倍量の20gほど施肥して下さい。)
※プランター栽培の場合、果実を大きく実らせ過ぎると樹に負担がかかります。
やや早めの収穫を。
※畑での栽培は、株間を充分に空け、水はけを良くするため、畝を高くし、肥料も水もプランター栽培より少なめに。
■ゴーヤ
・最初に伸びてきたツル(親づる)が1mくらいになったら摘芯(先端をカット)し、横から出てきた子ヅルを伸ばすと横に広がって、カーテンぽくなります。子づるは3本ほど残す。株元(地際)に茎葉が混んできたら剪定して風通しをよくする。株が若いうちは雄花ばかり咲くが、成長につれて雌花も咲き実ができてきます。
・プランター栽培では、果実をあまり大きくすると樹に負担がかかります。若採り収穫の方が多収になります。
・ツル性の作物は、支柱やネットを70°の傾斜にして栽培すると葉は外に、実はゴーヤカーテンの中に垂れ下がるようになる。
■ミニトマト
・生命力が強く、作りやすい野菜。
ただし水のやり過ぎに注意!
・なるべく水は切らし気味。水やりのタイミングは葉の状態を観察し、葉が下を向いてきたら水やりのタイミング。
(土の水分があり過ぎると葉は上を向いている)
・わき芽(茎と茎の間に芽がでる)はすべてかき取り、主枝1本のみに(1本立て)実らせる。
わき芽をとらないと、実に栄養が集中せず、風通しも悪くなる。
・プランターの大きさに応じて、果実をつける段数を決めます。
標準プランター(15L)では4~5段で摘芯(先端をカット)。
放任すると茎葉に養分を取られる。着果が少ないと葉や茎ばかり茂るので、指で花をそっとたたいて受粉させる。
・苗は植穴にナナメに植え、割りばしで支えにして芽を上向きにすると根張りがよくなる。
・害虫予防にもネギやニラ、バジルと一緒に植えるのもおすすめ。
苗をナナメに植えて割りばしで支える。植え付け後、周りの土をやさしくおす。
■中玉トマト
・栽培の仕方は、ミニトマトとほぼ同様だが、ミニトマトよりは難易度が高い。
元肥をやりすぎると茎葉が旺盛に育ち過ぎ、実がつきにくい。
また乾き過ぎると「尻腐れ果」(カルシュウム不足)が出やすい。
原因は乾燥と肥料の濃度障害。果実が肥大する時期からは乾燥に注意。
樹の負担を軽くするため、第1・2花房は3果ほど残して摘花。第3・第4花房は4果残し摘花。
■きゅうり
・根の量が多いので通気性のいい土で育てる。水も肥料もたっぷり与える。病害虫に弱い作物で、難易度が高い。アブラムシなどが出てきたら、早めに発見し手袋をして擦り潰す。
・30㎝以下の低いところに花を付けたら摘み取る。※下の方で花が咲くと苗が大きくならない。
また、最初の2~3個までは15㎝ほどで「若採り」して、株を疲れさせないようにする。
・親ヅルが支柱の先端まで来たら摘芯。子ヅルは2~3本残す。追肥は定植後から20日に1回程度。
■ナス
・ナスは肥料食い、2週に1回は追肥を。また水やりも充分に。苗が育ってきたら、主枝と一番花の下のわき芽2本を残し、それより下のわき芽をすべて摘み取る(「3本仕立て」と言う)。
・最初の実がついたら、樹が疲れないように若採りする。アブラムシやハダニに注意。葉裏をこまめにチェックし、見つけたら夕方、葉裏をねらって勢いよく水で洗い流す。
・追肥は「オーガニック853」(ジャパンバイオファーム名「ナチュラルアミノ742」)を若干多めに。
■枝豆
・大豆の若取りなので、栄養豊富。栽培の手間も少ない。水田の土を30%混ぜるのが理想だが、パーライトや赤玉土でも可(コープ自然派の有機培土には含まれている)。枝豆はカルシウムをよく吸収するので、苦土石灰を20g(標準プランター/15L)ほど混ぜるといい。
・葉が大きく育ち、サヤが膨らんできたら倒伏しやすいので、短めの支柱を立てる。
・枝豆は空気中のチッソを固定して栄養にする根粒菌が付くので多肥は禁物。肥料をやり過ぎると実がつきにくくなる。下葉が枯れてきたら早めに取り除き株を清潔に保つ。追肥は1回。収穫はマメが柔らかいうちに一斉収穫。
■丸オクラ
・比較的栽培しやすい作物だが肥料食い。肥料も水も切らさず旺盛な生育を助けましょう。1回目の収穫開始から、追肥を始める。下葉が混みあってきたら切り取る。また下葉が枯れたらそのエチレン作用で元気な葉まで損なうので、早めに取り除く。果実は8cmくらいで若採りして樹を疲れさせないよう。
オクラの苗は2本芽が出たものが届くこともありますが、オクラは小さいうちは根が弱く分けて植えると枯れてしまうことが多いので、分けずにポットの状態のまま植えて、2本並んだ状態で栽培してあげてください。
■青じそ
・本葉が7~8枚になったら、追肥し土寄せします。その後、他の作物同様、2週間に一度は追肥をすると根元にも葉が増え、たくさん収穫することができます。乾燥させてしまうと株が弱ってしまうので、水やりは欠かさずに。アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ虫などの害虫がつきやすいので、見つけ次第取り除く。秋には穂じそが収穫できるので、醤油漬けで薬味やおにぎりなどに。またさっと茹で、よく水を切り塩漬けにも。
【コンパニオンプランツ】
ナス科・ウリ科といっしょに株間に植える病害虫予防の役割をします。これをコンパニオンプランツ(共栄植物)と呼ぶ。
マリーゴールドは開花期が長いので、切り戻し(枯れた花を切って)秋口まで花も楽しみましょう。
他に夏野菜ではトマトとニラ(ネギ)、トマトとバジル、きゅうりとネギ、ナスとパセリ(ネギ)、ナスとニラなどが、コンパニオンプランツとして病害虫の予防に効果があると言われます。
ローズマリー、ラベンダーのハーブ系なども効果が期待されます。野菜苗の株間に植えて下さい。
■マリーゴールド
・病気や害虫にも比較的強く育てやすい。秋まで長期にわたり栽培可能です。枯れた花はこまめに切って捨てましょう。
・夏に弱って花が咲かなくなったら、半分くらいの高さでばっさり切っておくと(切り戻し)再び元気に花を咲かせるようになります。
・観賞用はもちろん、コンパニオンプランツとしてウリ科・ナス科とともに植えるとセンチューなどの害虫をふせぐ効果があります。
■パセリ
・ビタミンAとCが多く、がん予防に効果ありと注目されている。収穫期間も長く、プランターひとつあれば日常的に重宝します。楽土で卓上での栽培もいい。
・病害虫もなく育てやすい。追肥も多くなくてよい。(約1か月に1回ほどで可。)
■バジル
・寒さに弱い。植えつけ後は、乾燥が激しい場合のみ、たっぷりと水やりする。摘芯も兼ねてこまめに摘み取ると分枝してこんもりと茂ります。
・花が咲くと風味が落ちるので、花穂を早めに摘み取る。
■ねぎ
・標準プランター(約65х22х18.5、15ℓ)で、よく出来ます。酸性土に弱いので、古土を使う場合は苦土石灰を標準プランターあたり20g入れて調整してください。再生力が強いので、新しい葉を2~3本残し、株ごと抜かずに根元を残してして切り取る。これを繰り返すと長期に収穫可。
・伸びが悪くなってきたら、追肥する。肥料と水が常に効いていることが大切。20日おきに追肥を。ねぎの葉は面積が少ないので光合成でつくられる炭水化物が少なくチッソ優先になりやすい。ミネラル、特にカルシウムを多めに施肥。
●有機培土
【お願い】有機培土は有機質肥料使用のため、密封状態で長く置くと異臭がすることがあります。
その場合、5日ほど土全体を空気にさらしてからご利用を。
「有機鉢上げ用培土」(プランター用)やコープ自然派の有機培土は、元肥が入っています。そのままお使い下さい。
(市販の培養土も、ほとんど元肥入りです。購入時、確認して下さい。)
古土は再生利用しましょう! ~作物だけでなく、土も育てましょう~
何度か栽培した土は、酸性に傾いています。苦土石灰で中和し、ミネラルを補給し土を再生するこ とで連作障害を防止できます。土も野菜と同様、じっくり育ててあげましょう。
① プランターの古い土を出し、乾燥させてふるいにかけ、ゴミを取り除く。
② 細かいふるいにもう一度かけ、粉状の細かすぎる土は取り除く。
(細かすぎる粉状の土は、野菜づくりには適さない。庭土などの別の用途に使用。)
③ マグキーゼ(苦土)とハーモニーシェル(石灰を)一握り入れ10日間ほど寝かします。
④ BLOF堆肥23、放線菌堆肥(バーク堆肥や腐葉土など)10~20%混ぜ込む。
⑤ 握ると固まる程度に水を加え、ゴミ袋(透明)などに入れ、日なたに 1~2 か月ほど置き、 太陽熱で殺菌する。(真夏は一週間で充分)
⑥ 新しい土を3分の1ほど混ぜて使用ください。
\野菜は土が育ててくれるもの。工夫して、ふかふかの土を作りましょう/ 土は捨てないで!
※土は同じプランターで1年に2作するとして、年に一度は土壌改良を。
※作物の残渣(ヒゲ根や葉など)は細かく刻み、乾燥させてプランターの鉢底石の上に入れ(1~2cm 厚さ)、使っているうち に次作の堆肥となる。
●病害虫対策
病害虫は、日当たりや水はけの悪いところや、もともとの土の栄養が悪かったりすると発生しやすくなります。注意深く観察して早目に対処しましましょう。
きゅうりの、うどんこ病やべと病(葉が傷む)、ナスのアブラムシやハダニに気をつけましょう。害虫がついているのを見つけたら、手で取る。または絵筆で取る、ピンセットで摘む、粘着テープにつけて取るなどする。病害虫対策に以下の自然農薬などお試し下さい。自然農薬なので、ききめは1~2週間程度です。予防的に使用する方が効果的です。野菜栽培も子育てと同じです。日頃からよく観察して、病気や虫がついていたら早めに対処してあげましょう。
病害虫対策に以下の自然農薬などお試し下さい。自然農薬なので、ききめは1~2週間程度、緩やかです。
予防的に使用する方が効果的です。野菜栽培も子育てと同じです。日頃からよく観察して、病気や虫がついていたら早めに対処してあげましょう。
○病気予防・・・酢は野菜を丈夫にし、うどんこ病(きゅうりやカボチャなど)の予防にもなります。
・木酢(竹酢液)を1000倍に希釈し、3日に1度ほど散布。
・食酢を300~500倍に希釈し、1~2週間に1度ほど散布。
・コーヒー(濃度はそのまま)を散布―うどんこ病やハダニの防除
・ベト病対策には、ニンニク1ヶをすりおろし、水1ℓを加え布でこす。5倍希釈使用。
※うどんこ病には、納豆でバチルス菌液を作って(少し手間ですが)、散布するのが効果的です。
作り方をご入用の方は下記へ問い合わせ下さい。メールまたはファックスで資料をお送りします。
納豆のパックについたネバネバを100cc程度の水で溶いて霧吹きで散布するのもいいです。
(ただし、カラシや醤油が混じっていないものを)
○害虫対策・・・木酢(竹酢液)を300倍に希釈し散布。
・アブラムシ防除には、晴天の午前中に牛乳を薄めず霧吹きで、葉の裏に吹きかけ、
膜がのこらないように使用後(夕方には)よく洗い流す。
・ナメクジ退治には、小皿にビールを入れて、出そうなところに置く。
NPO法人自然派食育・きちんときほん
0120-236-003(土日祝除くAM9:00~PM5:00)
e-mail : npokichintokihon@leto.eonet.ne.jp