23年28号栽培マニュアル(秋冬野菜)
有機野菜の力で、腸内細菌を元気に!
●プランター栽培の基本
・プランターは、日当たりや風通しのよい場所に置く。ベランダでは、すのこや台の上に置く。
・今回は菜っ葉類の栽培ですので、標準プランター(約65×22×18.5、15ℓ程度)で可能です。
土が底からこぼれ落ちないように(底網などを敷き)、底が隠れる程度の鉢底石を敷き、その上に培養土を入れる。
・植え穴をあけ、水を注ぎ浸透したら、植え穴に苗を入れ、土をかぶせて根元を軽く押さえる。
・菜っ葉類の植え付けは5~6cm間隔の株間、条間(筋の間隔)10~15㎝ほどで植える。
・よく観察して害虫を見つけたら、早めに対処。黄色くなった下葉は取り除き病気の予防を。
・寒さに比較的弱いものは、寒冷紗などで覆うとよい。
注意点は、①水やりと ②追肥です。
① 水やり・・表面が乾いていたら冬季でも水やりが必要です。乾燥に気を付けて下さい。
水の通りや土の通気性が悪くなると、根に酸素が届かず生育が悪くなります。その場合は穴あけする。
直径約 2cm の棒の先を削って尖らせ、10cm 間隔で容器の縁にそって差し、穴をあけ通気をよくする。
20 日間隔で数回穴あけをし、穴に追肥すると肥効もよくなる。
② 追肥・・・プランター栽培では日々の水やりで肥料が流れ出しやすいので、追肥が必要。
■小松菜
・株間 5~6cm。1 ヶ月ほどで栽培でき、基本的に年中栽培可能。カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミン C が豊富。
春から秋にかけては短期間で収穫できるので、元肥のみで大丈夫。
寒くなって成長が遅くなり収穫まで 30 日以上かかる場合は、20 日に 1 回程度の追肥が必要。
■ほうれん草
・株間 5~6cm。カロチン、鉄分の多い高栄養野菜。
古土を使う場合は、酸性を嫌うので苦土石灰を標準プランターあたり 50g ほど混ぜる。
基本は元肥 1 回ですが、生育を早めるためには液肥を 4~5 日に 1 回、2~3 回施肥してもいい。
表面を乾かさないよう、水やりを。
収穫は間引きのように抜くと、隣株の生育が悪くなるので、端から順にハサミで根本から切って収穫します。
■ミズナ
・株間 5~6cm。株間を広げて長く育てると葉が増え大きくなります。
ミズナは、その名の通り水をたくさん吸収するため、湿り気のある排水良好な土が好きです。
表面を乾かさないよう、水やりを。
追肥は 20 日ごとに 2 回ほど。背丈が 25~30cm になったら、一株ずつ間引き収穫。
アブラナ科でコナガなど害虫が付きやすいので注意。
寒さに強く、霜にあたると甘さが増しおいしくなる。
■サラダ菜
・株間 10~15cm。
土は標準のものでよいですが、酸性を嫌うので古土を使うときは、苦土石灰を標準プランターあたり 20g 全土にまんべんなく混ぜて調整。
長期間の栽培になるのでスタミナ切れにならないよう、春菊と同様に追肥を定期的に(20 日ごとに)。また、乾燥も品質低下を招くのでいつも適度に湿っているように。
本葉 10 枚ほどに成長した時から収穫。外葉を茎の付け根からかきとって食べる。
中心から数枚の葉は、再生力維持のために残し、外葉からかきとって収穫、長期栽培が可能に。
寒さには比較的弱いので、寒冷紗で覆うと良い。
■春菊
・株間 10cm。株を大きく育て、秋から春まで収穫を楽しみましょう。
そのためには肥料切れしないよう充分な水と肥料を。
定植後 20 日おきに4回追肥。春からの旺盛な生育に向けて、年明け 2 月から3 回追肥。
成長が鈍ってきたときには、液肥を5日に1回やるといい。
株元に葉を 7~8 枚(茎長 7~8cm)残して葉を摘むと、すぐに脇芽が伸び、再び収穫できる。
株元の枯草は早く取り除き、株を清潔に保つ。
◆ハーブ
■タイム
・丈夫で育てやすい。
ハーブの中でも、殺菌作用と抗ウィルス作用に優れているので、ハーブティとしてうがい薬に使用するのも、with コロナの今に効果的ですね。
料理はもちろん、お風呂やアロマオイルなどに使用するのもいい。
乾燥に強く、酸性土を嫌い多湿に弱いので、枝が蜜に茂って風通しが悪くならないように、株元の風通しよくする。
乾燥を好むので、表面が乾いたら水やりをする程度。(ただし、植え付け直後は根付くまでの水やりが大切。)
追肥は控えめに、真夏をのぞいて 3~11 月の間に数回。
多湿や蒸れに注意すれば害虫もほぼ寄り付かない。
根の成長が早いので、鉢の底から根が伸びてきたら、一回り大きい鉢に植え替えるか、株分けをする。
■セージ
・丈夫で栽培しやすい。昔から不老長寿の薬効があると言われている。
多湿に弱いので蒸れに気をつけて、株元の込み合った枝を切り落とし、日当りや風通しをよくする。
シソ科で害虫(アブラムシやハダニなど)が付きやすいので、葉の裏側を注意深く観察し駆除する。
冬場は、寒風や霜防止のため、ベランダの屋根のある場所に置く。
畑では、腐葉土などを敷いてカバーする。
乾燥を好むので水は乾いたらやる程度で、特に冬は控えめに。
肥料は、4~6 月ころ月 1 回程度。夏場は施肥を避け、様子を見ながら秋にも 1 回。
セージは生育旺盛なので、挿し木で増やせます。(春か秋ころ)
●土について
・何度か(年 2 作程度)栽培した土は、酸性に傾いています。
再利用する場合は、苦土石灰で中和し、土壌改良剤を混ぜ、新しい土を 3 分の1ほど混ぜて使用下さい。
・有機培土はできるだけ早めに使い切って下さい。
コープ自然派の有機培土は有機質肥料使用のため、密封状態で長く置くと異臭がすることがあります。その場合、5 日間ほど土全体を空気にさらしてからご利用ください。
また、コープ自然派の有機培土は元肥入りです。最初の肥料は不要です。
(市販の用土も、表示を確認して下さい。)
何度か栽培した土は、酸性に傾いています。苦土石灰で中和し、ミネラルを補給し土を再生するこ とで連作障害を防止できます。土も野菜と同様、じっくり育ててあげましょう。
① プランターの古い土を出し、乾燥させてふるいにかけ、ゴミを取り除く。
② 細かいふるいにもう一度かけ、粉状の細かすぎる土は取り除く。
(細かすぎる粉状の土は、野菜づくりには適さない。庭土などの別の用途に使用。)
③ マグキーゼ(苦土)とハーモニーシェル(石灰を)一握り入れ10日間ほど寝かします。
④ BLOF堆肥23、放線菌堆肥(バーク堆肥や腐葉土など)10~20%混ぜ込む。
⑤ 握ると固まる程度に水を加え、ゴミ袋(透明)などに入れ、日なたに1~2か月ほど置き、太陽熱で殺菌する。(真夏は一週間で充分)
⑥ 新しい土を3分の1ほど混ぜて使用ください。
\野菜は土が育ててくれるもの。工夫して、ふかふかの土を作りましょう/
土は捨てないで!
※土は同じプランターで1年に2作するとして、年に一度は土壌改良を。
※作物の残渣(ヒゲ根や葉など)は細かく刻み、乾燥させてプランターの鉢底石の上に入れ(1~2cm 厚さ)、使っているうち に次作の堆肥となる。
●病害虫対策
病害虫は、日当たりや水はけの悪いところや、土の栄養が悪いところに発生しやすい。
注意深く観察して早目に対処しましましょう。
青虫などの害虫を発見したら、手で取り除きましょう。
ピンセットで摘む、ハケで落とす、粘着テープにつけて取る、などよく観察して下さい。
また、寒冷紗や防虫ネットで寒さや害虫対策をするのも効果があります。
病害虫対策に以下の自然農薬などお試し下さい。自然農薬なので、ききめは1~2週間程度です。
○病気予防・・・木酢液(竹酢液)を1000倍に希釈し、3日に1回ほど散布。
または食酢を300~500倍に希釈し、1~2週間に1度ほど散布。(野菜が丈夫になる)
コーヒー(濃度はそのまま)を散布―うどんこ病やハダニの防除。
ベト病、さび病、害虫駆除に、ニンニク1ヶをすりおろし、水1ℓを加え布でこす。
それを5倍希釈で吹きかける。
※うどんこ病には、納豆でバチルス菌液を作って(少し手間ですが)、散布するのが効果的です。
作り方をご入用の方は下記へ問い合わせ下さい。メールまたはファックスで資料をお送りします。
納豆のパックについたネバネバを100cc程度の水で溶いて霧吹きで散布するのもいいです。
(ただし、カラシや醤油が混じっていないもの)
○害虫対策・・・竹酢液(食酢も可)を300倍に希釈し散布。
アブラムシ防除には、晴天の午前中に牛乳を薄めず霧吹きで、葉の裏に吹きかけ、
膜がのこらないように使用後(夕方には)よく洗い流す。
ナメクジ退治には小皿にビールを入れて、出そうなところに置く。
NPO法人自然派食育・きちんときほん
0120-236-003(土日祝除くAM9:00~PM5:00)
e-mail : npokichintokihon@leto.eonet.ne.jp